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エネルギー問題について知っておきたいこと 未来に向けて②

その他

今回のシリーズでは、昨今のエネルギー問題の重要事項を語っている。

エネルギー問題について知っておきたいこと 概論
ほとんどの人々に当てはまる問題は、人々が無知だということではなく、知っていると思っていることの多くが事実と異なって...

最後の最後(?)に語るのは未来に向けたシリーズ総まとめ その②。

本記事では、エネルギー問題の将来への重要事項である「エネルギー技術政策」・「考慮すべき重要事項」・「要注意事項」のうち、後半2つを紹介しよう。

また、前記事の復習も兼ねて、エネルギーの未来に向けたトピックも↓に挙げよう。

<将来のエネルギー問題に重要な位置を占める技術>
・エネルギー生産性:効率と省エネ
・ハイブリッド車、および燃費を向上したその他の自動車
・シェールガス:自動車用燃料, 合成燃料の原料, 石炭の代替物
・合成燃料:ガスや石炭から作られる液体燃料
・シェールオイル
・スマートグリッド

<急発展する可能性のある技術>
・太陽光発電
・風力発電、およびその電力供給のための送電網の改良
・原子力:新旧両世代
・電池:太陽光や風力のバックアップ用
・バイオ燃料:特にミスカンザスのようなイネ科の草を原料とするもの
・燃料電池:特にメタンベースの電池
・フライホイール

<問題解決の可能性がもっとも低い技術>
・水素経済
・完全電気自動車とプラグイン・ハイブリッド車
・コーンから作るエタノール
・太陽熱発電
・地熱
・波力および潮力
・メタンハイドレート
・藻類バイオ燃料

↓参考書籍。ブログ主にとって、エネルギー問題の秘伝書(笑)

いつも通りの注意事項:ここにあるのは記事作成時点での情報のため、直近で大きな技術的なブレークスルーがあってもフォローできていないので悪しからず。(五回目)

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コウリョ × スベキ × ジュウヨウジコウ

[地球温暖化と中国]
地球温暖化は事実であり、その原因のほとんどは人間活動だが、これを抑制するには中国などの発展途上国から排出される温室効果ガスを削減する低コストの(欲をいえば利益が上がる)方法を見つけなければならない。
単なる自己満足にしかならない(電気自動車のような)対策には気をつけてほしい。
こうしたやり方は、地球温暖化にわずかな(40分の1程度の)効果しかないのに、自分たちはちゃんと問題に取り組んでいるんだ…という誤解を人々に与えるからだ。

エネルギー問題でもっとも判断が難しいのは、中国をどうするかだろう。
中国の温室効果ガスの排出量は、2010年の段階ですでにアメリカより70%も多く、今ではアメリカの倍になっているかもしれない。

おそらく、今後中国から排出される二酸化炭素の量を削減する最良の方法は、石炭からシェールガスへの転換を手助けすることだろう。
水平掘削と水圧破砕法の専有技術に関して問題はほとんどないが、だからといって、この方法が簡単に導入できるというわけではない。
シェールガスの回収のために本当に必要なものは、数多くの特殊な装置と高度な訓練を受けたスタッフである。
こうした資源をすみやかに開発すれば、中国国民に深刻な健康問題を引き起こしている石炭の使用をやめて、温室効果ガスを半分しか排出せず、しかも地域住民に被害をもたらす水銀や硫黄による汚染がない、天然ガスへの転換が可能になるのだ。

また、中国は可能な限り多くの電力を太陽光や風力で生産する必要がある。
ここで、主要国にとって政治的難問が生じる。
目標を達成する最良の方法は、中国の太陽光産業や風力産業を発展させることだ。
しかしながら、世界市場において中国は欧米のこうした産業と直接競争しており、すでに欧米の太陽光関連の企業は、中国製の安価な太陽電池のために廃業に追い込まれつつある。
活気ある中国の産業の価値と、活気ある欧米の産業の価値とのバランスをどうとるかは、政治的にも経済的にも一意には答えられないデリケートな問題なのだ。

中国の消費者は、航続距離が何百kmもある自動車でなければならないという依存症にはまだかかっていない。
したがって、中国には鉛酸バッテリーを使う電気自動車の潜在的市場がある。
鉛汚染を心配するする人もいるが、貧しい国では鉛は貴重なので、鉛を含む電池は再生され、再利用されるだろう。
[エネルギー生産性に関する追加情報]
エネルギー生産性の向上には、3つのメリットがある。
お金を節約し、輸入を減らし、しかもそのうえ、経済を活性化することができる。

自動車の効率は、今よりもずっと高いレベルに向上することができるが、市場の力だけではこうした改善を達成できそうにない。
その理由の一つは「共有地のパラドックス」である。
利益と資源が共有されるなら、最大の利益を得るのは共有地が均等である場合だ。
だが、誰かが欲張って過度の利益を得ることもできるので、状況は不安定となる。
自動車の効率に当てはめると、たとえば、すべての自動車が軽量化されれば、すべての人にとって利益になる。
しかし、誰か一人が重量車に乗れば、その人だけは他の人より安全になり、他の人たちを危険にさらすことになる。
これを解決するには、共有の法律であるCAFE(企業平均燃費)の基準で、広く例外なく経済性が要求されるように規制することだろう。

これからも今以上に素晴らしい技術が開発・発展されるだろう。
そして私たちは、例えば、繊維複合体の車体が重い金属の車体以上に安全であることや、自動車をクールペイントで塗装すればエアコンを動かすために使うガソリンを節約することができることなど、そうした成果を知る必要がある。
そうすれば、自動車としての性能やユーザーが感じる快適度を犠牲にすることなく、CAFEの改良基準を現実に達成できるのだ。

エネルギー生産性の他の方法も、まだまだ大幅に改善できるだろう。
私たちは、省エネは生活水準を下げることではないことを理解する必要がある。
しかるべき省エネ対策を講じれば、そしてエネルギー生産性に投資すれば、これといった変化を感じることもなく、お金を儲けることだってできるのだ。
[電力網とベンチャービジネス投資]
景気刺激のために追加投資が必要なら、送電網の改良に投資するのがいいだろう。
こうしたインフラで、風力・太陽光発電はずっと利用しやすくなり収益も上がる。
また、現行の送電網による7%のエネルギー損失を削減することもできる。

ベンチャー投資はひじょうに難しいビジネスだ。
ベンチャー投資家は、通常4つの事業に投資すれば、そのうちの3つは失敗するだろうと想定している。
政府はそんな失敗率の高い投資に国民の血税を賭けるわけにはいかないだろうし、25%の確率で成功させるにも、大変な技量が必要だ。
政治家や学者に任せても、彼らが正しい企業を選択する可能性は低いだろう。
彼らは、より有望な企業には資金を出し惜しみし、結局失敗する企業に多すぎる資金を投じるだろう。
ベンチャー投資家が成功するのは、一つには、投資の成否に自分たちの生活がかかっているからである。
彼らは研ぎ澄まされた投資の技量を持っているが、それでも多くのベンチャー企業が失敗し、倒産しているのだ。
[エネルギー災害]
エネルギー災害は大変な難問だ。
国民を怖がらせて、悪影響をますます悪化させないように注意が必要である。
だが、危険を軽視していると人々に思われると、政治家は厄介な立場になる。

指導者の立場にいる人は、どんな事故でも災害だと言いたくなる誘惑に駆られる。
そうすることが、歴代首相や大統領にとっては、もっとも安全な政治判断だった。
こうした安易な方法をとれば、問題の解決に失敗しても罪を問われないだろう。
もし問題を克服した場合には、あるいはそもそも実際にはそれほど深刻な事態ではないので克服する必要もなかった場合でも、指導者は英雄扱いされる。
しかし、事態を誇張した場合にはリスクが伴う。
なぜなら、人々はだまされていたことを知ったときには、怒りを覚えるからだ。

この世界には、数多くの脅威が現実に存在しているのだから、検知も測定もできない危険を恐れて政策を左右するようなことはしない方がいいだろう。

ヨウ × チュウイ × ジコウ

[流行り物に要注意]
すべての技術が、楽観主義者の思惑通りにうまくいくわけではない。
指導者には創造性が求められるが、同時に現実的でなければならない。

科学的・技術的なしかるべき理由により、水素経済, 地熱, 波力発電, 潮力発電には大きな発展は見込めない。

バイオ燃料には可能性があるが、不都合な面もある。
特に食糧供給への悪影響が挙げられる。
バイオ燃料すべてが温室効果ガスの削減に本当に役立つわけではない。
適切な酵素や微生物を開発しても、土地利用の大規模な転換が必要になる。
バイオ燃料の価値は、数十年という長期的視野で評価しなければならないのだ。
[リスク便益の計算に要注意]
リスク便益に関する単純化された計算は、誤解を生む可能性がある。
ここ十数年の新規原子力発電所の事実上の建設禁止措置は、人々の命を救う結果になっただろうか?
それとも、水銀や硫酸やその他の汚染物質の排出によって健康に害を及ぼす、石炭の使用量を増やしたのだろうか?
どうやって、核廃棄物の貯蔵の危険を計算し、これを例えば石炭灰の貯蔵などの危険と比較すればいいのだろうか?

二酸化炭素排出の結果生じる間接的コストとは何だろうか?
二酸化炭素によって気温が上がることについては意見が一致しているが、ではいったいどこまで上がるのだろうか?
そしてその結果、どれだけの悪影響が、あるいは好影響があるのだろうか?
二酸化炭素がもっと増えれば、植物がよく育つなどの便益があるのだろうか?

こうした効果を計算することができる見込みが、少しでもあるのだろうか?
答えは誰にもわからないが、こうした問題を心に留めておくことは重要である。
自分が望む答えに都合のいい、偏った論理に陥る危険は現実にあるのだ。
私たちは、何事もよいことばかりであったり、悪いことばかりであったりすることはないのだということを、認識する必要がある。
[予防原則に要注意]
予防原則は、それ自体自明の理であるように思える。
たとえ誤ったとしても、安全な側に誤ろうとするのだから、間違いはなさそうに思えるのだ。
しかし、安全とは何だろうか?
環境問題と国家の安全保障や経済の健全性との折り合いをどうつければいいのか?

指導者の立場にいる人はそうした問題を過度に重視した政策を提案しがちだ。
しかし、そうすることは、政治的な予防措置にはなるかもしれないが、指導者としての責任を果たすことにはならない。
問題は、「予防」という言葉の意味が、それを支持する人たちの恣意的な解釈に左右され、その結果として予防原則が現実場面で実際には役に立たないものになっていることである。
[楽観主義バイアスと懐疑主義バイアスに要注意]
楽観主義バイアスとは、どんな技術でもすみやかに進歩するという思い込みだ。
必要なものは、十分な努力と十分な資金だけである。
マンハッタン計画や家庭用コンピュータの急速な発展が、たびたび引き合いに出されるので、気を付けよう。
画期的な成果を約束しておきながら、ささやかな結果しか出さなかった数々の一大計画という反例があることを忘れてはいけない。
癌との戦争、貧困の絶滅、麻薬の撲滅、テロとの闘い、…etc.

懐疑主義バイアスとは、自分が嫌いな技術については、問題を克服できないと思い込んでしますことだ。
だめだ、破砕法による汚染は防ぐことができない。
だめだ、二酸化炭素隔離など実現できるはずがない。
だめだ、原子力が安全なものになるわけがない。
…etc.

懐疑主義のバイアスには、自分が好きな技術に対する楽観主義バイアスがしばしば付き物になっている。
よし、安価な太陽電池は作れるはずだ。
よし、一万回再充電できる電池を開発できるはずだ。
よし、波からエネルギーを取り出すコスト効率の高い方法が見つかるはずだ。
…etc.
小さな会社が開発した技術的「大躍進」を報じるトップ記事には、ほとんどの場合楽観主義バイアスがありありとみられる。
その反対に、大手企業が環境保護のための努力をしているとき、それを茶化したり嘲ったりするような報道姿勢には、あからさまな懐疑主義バイアスが見て取れる。

懐疑主義バイアスと楽観主義バイアスは、どちらも信念の下に隠されている。
自分の意見が正しいと強く信じ込んでいる人たちは、ある特定の事実は重視するが、別の事実は頭から否定するのだ。
彼らは自分自身を欺いている。
そうした人たちにあなたまでが欺かれてはいけない。
信念に基づく主張は、客観的分析に基づく主張のような正当な根拠があるわけではないのである。
[スローガンに要注意]
一昔前、欧米では、
「汚染問題(pollution)の解決策(solution)は薄めること(dilution)」
…というような韻を踏んだ一文が流行った。
今では、これがずいぶんのんきな話だと分かる。
海や大気は有限であり、海に都会のゴミを捨てたり、大気中に硫黄や亜酸化窒素や二酸化炭素を捨てたりすれば、すぐにその影響が現れるということを理解していなかった時代の話である。

今でも、これと同じように人を惑わすスローガンがある。
「地球規模で考えて、足元から行動せよ」
本当にそれで効果があるなら、どんなにいいかと思う。
問題は、足元(地域)からできる解決策が、必ずしも地球規模の解決策にはならないということだ。
足元からできる解決策の多くは、自己満足的な対策にすぎない。
地域の汚染(局地汚染)を削減するために費用のかかる対策を採用することは簡単にできるが、そうした対策がもっと広い世界と無関係であったなら、本当の問題に取り組むことにはならないのである。

「地球にやさしい」とか「再生可能」とか「クリーンな」といった耳あたりのいい言葉を使うエネルギー源に期待するのはやめよう。
そうした表現は、原子力や天然ガスや合成燃料などの重要な技術を排除するための口実と解釈することもできる。
「持続可能」という言葉なら使ってもいいだろう。
これなら「今後20~40年間は持続可能」という言い方ができる。
というのは、それよりも先の技術については推測さえできないからだ。

もっともらしいけれど実際には役に立たないスローガンはたくさんあるが、真実をついていそうなものも一つある。
「真に持続可能であるためには、利益をもたらすものでなければならない」
もちろん、利益には環境のような間接経費も含まれる。
残念なことに、こうしたコストの測り方には、本当に合意された基準はない。
支持する方法に有利な論証をしようとする人たちによって、容易に操作される。
間接費用の試算については、慎重かつ客観的に精査することが重要だ。

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さてさて、長いことエネルギー問題を語ってきたが、いかがだったろうか?

情報バイアスについて散々伝えてきたし、さらなる調査については言うことなし(笑)

ともに切り開いていこう!!エネルギー問題の未来!!

極論や偏見に負けるな!!これぞ賢者への道程!!

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