この記事では宇宙論の中で興味深いものを3つほど紹介する。
参考は↓の書籍。賢者を目指すブログ主の愛読書。
「宇宙論についてもっと知りたい!!」って人は下記記事も参照されたし。
オルバースのパラドクス
夜空を見上げると、暗い空を背景に少数の星が見えるだろう。
だが、もし宇宙が無限なのだとすれば、どの方向を見たとしても、そこには必ず星があるはずで、夜空は一面燃え上がる星明りでなくてはならない。
この一見矛盾とも思える現象は18世紀にドイツの天文学者ハインリッヒ・オルバースによって脚光を浴び、オルバースのパラドクスとして知られている。
パラドクスは2つの要因を組み合わせることで解消できる。
まず、宇宙は有限時間前に誕生したため、宇宙の地平線内に存在する有限個の星からの光しか我々に届かない。
さらに、1920年代のハッブルの法則と宇宙膨張の発見によって、新たな展開が追加された。
宇宙の膨張により宇宙論的距離を旅する光は引き伸ばされ、それに伴い光のエネルギーは減少し、遠い星や銀河の明かりは微かにしか見ることができなくなるのだ。
フェルミのパラドクス
1950年、かの物理学者エンリコ・フェルミは「皆はどこにいる?」という問いを提起した。
もし知的生命体が宇宙のどこかにいるならば、なぜ彼らを見ることができないのか?
これは後にフェルミのパラドクスとして知られるようになった。
フェルミの議論は単純で、「宇宙には数限りない星があるのだから、たとえどんなに小さい確率であろうと知的文明が出現する機会があるはずである。ひとたび天の川銀河に進化した文明が現れれば、それは拡大し、数千万年のうちに(宇宙の137億歳という年齢に比べれば一瞬だ)銀河全体に広がるのではないか。にもかかわらず我々はそのような銀河帝国の証拠を見ていない」というものだ。
地球外知的生命論者はフェルミのパラドクスを説明するために多くの議論を仕掛けている。
たとえば異星人はある種の非干渉主義により地球と接触しないことを選択したのだろうといったようなことだ。
より懐疑的な見解をもつ科学者は、生命誕生が宇宙全体でみても非常に稀なことの証拠だとし、レアアース仮説という説を唱えている。
人間原理
人間原理とは、物理・化学・生物学の法則を、地球上に生命が生まれたという単純な事実によって制限する科学的論法で、宇宙での生命の誕生を許容しないどんな科学理論も間違っているとする。
イギリスの天文学者フレッド・ホイルが、ある特定の炭素を作れる核反応が星内部で起こるはずだということを予測するために人間原理を使ったのは有名である。
もしそうでなければ、有機生命体が出現するための十分な炭素が存在しなかっただろうと。
実験物理学者はホイルの予測を探索し、実際にそれを発見した。
何人かの科学者は、「我々が今こうして自分たちを観測できているというのは驚くべきことで、普通に考えればありえないことだ。物理法則は生命の存在を許容するように調節されていなければならない」と評した。
他にも、量子論由来の多世界の概念から、まったく驚くに値しないと論じる者もいる。
多世界解釈に基づくならば、すべての可能な宇宙がどこかに存在するはずで、我々は生命が許容される稀な宇宙の1つに存在しているというのだ。
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ここで紹介したのは宇宙論についてほんのひとかけらの豆知識である。
もっと知りたいと思ったら、専門書を読みふけって、「知識の宇宙」へ探索に出かけよう。
目指せ!!知的好奇心生命体(笑)!!これぞ賢者への道程!!
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