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ミレニアム懸賞問題を知りたい その③

数学

引き続き、ミレニアム懸賞問題を紹介していこう。

今回は位相幾何学と高次元多様体の二十面相、「ポアンカレ予想」について。

ちなみに、この予想自体は2003年にグリゴリー・ペレルマンが幾何化定理の帰結として証明しており、別名「ペレルマンの定理」としていいだろう。

(幾何化定理:閉曲面の分類によって全ての可能な2次元閉多様体が分類できる。これとまったく同じように、3次元閉多様体を1982年にウィリアム・サーストンがリストアップした8種類で余すところなく分類できるという定理。)

(閉多様体:体積が有限で辺を持たない。曲面や球面をイメージすると分かりやすい。)

もう解決している問題?ノンノン。

まだこの問題には奥深い謎が残されているのだ。

参考は↓の書籍。賢者を目指すブログ主の愛読書。

「ミレニアム懸賞問題って何?」という人は下記記事も参照されたし。

ミレニアム懸賞問題を知りたい その①
近代から現代にかけて数学界では多くの難問・予想が生まれ、数多くの優秀な頭脳をもってしても明確な証明を得られぬまま、時が...
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多様体

曲面は、平面(2次元ユークリッド空間)の一部とみなせる小片に分割可能だ。

多様体という概念は、この考えを高次元に引き上げたものである。

n次元多様体はn次元ユークリッド空間とみなせる小片に分割可能な対象なのだ。

そうすると、1次元多様体は曲線、2次元多様体は曲面ということになる。

3次元多様体の例は、3次元空間そのものだ。

もちろん他にもあり、例えば3次元球面などもそうだ。これは、通常の2次元球面が3次元になったものにあたり、本記事のテーマであるポアンカレ予想の対象でもある。

単連結性とホモトピー

球面上にループを描き、そのループを徐々に収縮させていくと、ただ1点になる。

これが単連結の定義だ。これによって、球面とトーラス(ドーナツ)を区別できる。

トーラスの場合、穴を囲むループは決して1点に収縮しない。

立方体など単連結な曲面は他にもあるが、これらは球面と位相幾何学的には同じである。

だから、球面が唯一の単連結な2次元曲面だ。ポアンカレ予想は、同じことが3次元多様体にもあてはまるかどうかという問いだ。

4次元以上の場合、ポアンカレの問いは少々言い換えなくてはならない。というのも、もはや単連結性では十分でないからだ。

類似するものとして適切なのはホモトピーだ。ホモトピーは多様体が穴を持つかどうかを検出するためのもので、ループを描く代わりに、多様体に球状の膜を挿入する。問題はこれが収縮して点になるかどうかだ。

この方法で穴を持たないと判断された多様体をホモトピー球面と呼ぶ。

一般化されたポアンカレ予想では、各次元において球面は唯一のホモトピー球面となる。

ポアンカレ予想、そしてその進化形

1904年にジュール・アンリ・ポアンカレによって提起されたのは、「3次元球面が唯一の単連結3次元多様体である」という予想だ。(前述のように、現在では「予想」ではなく「定理」といってよい。)

球面が唯一の単連結曲面であることは長年にわたり知られていた。

ポアンカレが問うたのは、同じことが次元を1つ上げても成り立つかどうかだった。

3次元球面(通常の球面が3次元になったもの)が単連結であることは知られていた。

必要なのは、他に単連結な3次元多様体で未発見のものは存在しないということの立証だ。

これは、数学の世界では幅広く関心を集め、物理学でも考えられる宇宙の姿を制限するものと解釈されていた。

また、一般化されたポアンカレ予想によれば、全ての次元において球面が唯一のホモトピー球面となる。閉曲面の分類によって2次元の場合については肯定的な答えが得られていた。

高次元になればなるほど、数学はより不可解さを増すはずだと思うかもしれない。しかし、これは事実ではない。3次元や4次元空間は、それより高次元の空間に比べ、極めて分析しにくい対象なのだ。

実際、一般化されたポアンカレ予想も、3次元と4次元に先駆けて、1966年に5次元以上について正しいことが示された。

4次元については1982年に証明され、ついに2003年に元々ポアンカレが提起した3次元の予想が証明されたのである。

もちろん、この問題はこれで終了したわけではない。

微分位相幾何学(滑らかに変形できるかどうか)という概念を導入すると、7次元以上において位相幾何学的には球面でも微分位相幾何学では球面でない、「エキゾチックな球面」というものが存在し得る。(詳細は専門書を参考されたし。悪しからず。)

1,2,3,5,6次元においてはエキゾチックな球面は存在しない。

では、4次元についてはどうか?

4次元においてエキゾチックな球面がない、つまり全ての位相幾何学的球面は微分位相幾何学的にも球面であるという主張は「4次元における滑らかなポアンカレ予想」として知られ、非常に難しい問題だと考えられている。

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ここで紹介したのはポアンカレ予想(ペレルマンの定理)に関する大まかな知識である。

もっと知りたいと思ったら、専門書を目印に、「数学の森」の奥深くに進んでみよう。

目指せ!!未確認問題動物(笑)!!これぞ賢者への道程!!

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