さて、波動に関する面白い豆知識の後編を紹介していこう。
前記事で説明した音響チャネルがUFOといったいどう絡むのか!! 乞うご期待(笑)
参考は↓の書籍。身近な物理を扱った、お腹に忍ばせておくといざという時に凶漢からのナイフの一撃に耐えてくれるかもしれない防刃具(そこそこ厚い(笑))。
大気中にもある音響チャネル
前編では海中の音響チャネルを取り上げた。
では大気にも音響チャネルはあるのだろうか?・・・答えは「YES」だ。
前編でも解説したように、高度が高くなるほど気温は低くなり、音速も遅くなる。
その一方で、非常に高い高度まで上がると、再び気温は上がり始めるのだ。
海中で水深1kmが音速の最遅点だったのに対し、大気中では高度12~15kmが最遅点となり、海中と同様に大気中でもこの高度の層で音響チャネルが形成される。
では、大気で12~15kmから上で気温が上がる原因はなんなのか?
それはずばり「オゾン層」の存在である。そのあたりの高度でオゾンの量は増え始めるのだ。
ご存知のとおり、太陽からの紫外線放射の大部分をオゾンは吸収する。こうして吸収したエネルギーは熱として蓄えられるので、高度12~15kmでは高度が上がるにつれ気温が上がるのだ。(高度が高い=宇宙に近いから、その分吸収される紫外線の量も多くなる。さらに高度が上がった場合の温度変化は複雑になるが、そもそも空気が希薄過ぎて音波は伝わらない。)
海中の場合と同様、この温度の勾配が音響チャネルを作り出しているのである。
軍事利用される音響チャネル
さて、では大気の音響チャネルは実際どういうことに利用されるのか?
大気中や海中の音響チャネルの存在が確認されたのは第二次世界大戦前後である。
つまり・・・軍事利用がその最たる活用法だったのだ。
実際、第二次世界大戦中には海中の音響チャネルは機密扱いであり、世界中の音響チャネルにマイクを設置して、潜水艦の位置を解析する「音響監視システム」が構築されていた。
では、大気中の音響チャネルは? ずばり「核実験の探知」である。
第二次世界大戦後も冷戦という形で戦争は継続しており、当時のソ連は秘密主義の閉鎖的社会であったため、アメリカにとってソ連の核開発を把握することは最重要課題だった。
そこで、大気中の音響チャネルにマイクを設置することで、核爆発の火球が音響チャネルまで上昇して発する轟音をアメリカ国内にいながらにして感知可能としたのだ。(実際、1949年8月29のソ連の最初の核実験はこのようにしてアメリカに探知されていた。)
実はこのマイクの形状がUFOの正体につながるのである。
フライング・ディスク・マイクロフォンの墜落事故と新聞の見出し
1947年、「フライング・ディスク(空飛ぶ円盤)」がニューメキシコ州の砂漠に墜落し、その残骸を近くのロズウェル陸軍航空隊が回収したとのプレリリースをアメリカ政府は出した。それは権威ある地元紙にも大きく取り上げられた。
その翌日、アメリカ政府は前日のプレリリースを撤回し、墜落したのは「フライング・ディスク」ではなく、ただの気象観測用気球だったと訂正した。しかし、残骸の目撃者は皆、それが気球ではないことを知っていた。
実際はやはり速報にあったように、大型の「ディスク(円盤)」だったのだ。
政府は何かを隠蔽していた・・・。
このロズウェル基地は、アメリカで最も極秘性が高い施設だという・・・。
これが俗に言う「ロズウェル事件」であり、今もUFOに関する様々な話題の中心に取り上げられているトピックである。
では、今まで紹介した内容からキーワードを挙げよう。
音響チャネル、マイク(集積性向上のため、大型のディスク型)、冷戦、軍事機密・・・
・・・そう、この「フライング・ディスク」は、気球によって大気の音響チャネルに設置された「フライング・ディスク・マイクロフォン(気球に吊るされた集積向上型マイク)」を略して言ったものだったのだ!!
な・・・なんだって~!!(笑)
もちろん、ソ連の核実験の音を拾うためのマイクなんて軍事機密扱いだった。
前述の政府のプレリリースの内容は、セキュリティ部門の関係者から不適切と判断され、翌日撤回されて嘘を報道することになったのだ。
このロズウェル事件について、1994年にアメリカ政府は機密解除して真相を報告している。
しかし、一部のUFO信者は、この報告こそが隠ぺい工作で、空飛ぶ円盤は本当に墜落したと今も信じているのだ。
ブログ主としては、こんだけ物理的裏付けがそろっていれば、少なくともロズウェル事件は地球外知的生命体の乗り物に関係がないと思うが、さてさて真実はどうなのだろう?(笑)
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ここで紹介したのは前回に引き続き波動についてほんのひとかけらの豆知識である。
もっと知りたいと思ったら、専門書を詰め込んで、「理学の頂」の山登りに出かけよう。
目指せ!!理学の友人(笑)!!これぞ賢者への道程!!
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