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高次元を見る方法 おすすめ理学書籍

数学

高次元や4次元、異次元という言葉を科学入門書やSF小説・SF映画・SFアニメなどで聞いたことがある人は多いだろう。

それらの中では、高次元や4次元というと、宇宙が歪んでいるとか、テレポーテーションができるとか、時間旅行が可能だとか、なんだか不思議なことと関連して説明される。

だが実際、そうした高次元や4次元というのは、世界中の物理・数学などの諸分野で研究されているものであり、現代科学を理解するために不可欠なテーマなのである。

今回紹介するのは、そうした摩訶不思議な高次元の世界の入口を、私たちにとって身近な1次元・2次元・3次元から1つずつ次元を増やして、分かりやすく解説している書籍である。

想像力であったり直観力に頼らざるをえないところもあるが、従来の専門書とは違って「高次元」を見て感じさせてくれる一冊だ。

そんな本書で取り上げられているトピックを3つ挙げるとすれば、

① 三葉結び目は4次元ならほどける
② (n+2)次元空間の中でn次元球面は結ばれる (nは3以上の自然数)
③ 3次元を調べるために高次元が必要になる数学の例

さてさて、これらをかいつまんで説明していこう。

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「次元? やつなら別行動だ」

↑のようなロープの結び目は「三葉結び目」といい、よくキャンプなどでも使われる。

三葉結び目 - Wikipedia

この三葉結び目のロープの両端を片方は右手で、もう片方は左手で握っているとして、ロープと手を絶対に離さないでほどくことは可能だろうか?

答:3次元ならほどけない。4次元以上ならほどける。

な…なんと摩訶不思議な!!

では、もう一つ例を。

高校化学で一度は習うであろう、「鏡像異性体」。

数学でいうなら、左手座標系と右手座標系でもいいだろう。

これら2つを回転操作で重ねることは可能か?

答:3次元では重ならない。4次元以上なら重ねられる。

う~ん、ファンタスティック(笑)

文章での説明だとなかなか表現しづらくて申し訳ないが、イメージとしては余剰次元に3次元軸の一部を操作・回転させて、3次元空間をまたぐといった感じか。

このあたりは、やはり本書の図を見ていただきたいところだ。悪しからず。

結論としては、高次元を考えることで、3次元では不可能な図形操作もできるのである。

次元愛用のマグナム・リボルバー(回転式拳銃)

前述の話は1次元のロープの結び目だったが、今度は球面が結ばれるという話だ。

先に謝罪しておこう。この話題も想像力と直観力頼りになる上に、言葉だけではなんとも説明しづらい…。興味を持った方は、是非本書を読まれたし。

xy平面で三葉結び目を描き、その孤の両端をz軸の異なる点に置くとしよう。

例えば、このままz軸周りに回転させても、その軌跡としてできあがる図形は結び目が接触し合っていて、「結び目のある球面」にはならない。

そこで驚天動地の裏技。

z軸だけでなく、「zw平面」で回転させれば「結び目のある球面」が出来上がるのだ。

…待ってくれ、分からないからといってブラウザバックをするのはまだ早い(笑)

このことをさらに一般的に表現すると、

nは3以上の自然数として、(n-1)次元の結び目をn次元空間に置き、
それらと異なる2次元面で回転させると結び目のあるn次元球面になる

よし、満足だ!!ブラウザバックするがよい!!(笑)

こうした結び目の種類はスパン結び目といい、それらが実際に結ばれているかどうかの証明には大学レベルの数学が必要になってくる。

もうブログ主としては「想像してごらん byジョン・レノン」といった心情だ(笑)

次元大好き→「次元大介」 by モンキーパンチ

ここまで創造神ブラフマーばりに想像を強いてきたわけだが、ここで一つ疑問が挙がる。

「日常世界では3次元空間だけを考えていれば十分では?」

それももっともである。しかし、実は3次元空間を考えていても、そのために高次元が必要になる場合がいろいろとあるのだ!!

例えば、この記事で何度も取り上げている三葉結び目。これを3次元空間の中だけで研究しようとしても、やはり高次元の図形がその解析に必要になってくる。

三葉結び目が3次元空間ではほどけないと証明する場合、もしくはそれ以外の結び目と違うことを証明する場合、各結び目にコバノフ・リプシッツ・サーカー stable homotopy typeという高次元の複雑な図形を対応させて、それを調べるというのが一般的な方法だ。

だが、三葉結び目以外の2つの結び目を勝手にとってきて、この結び目が等しいかどうかを具体的に調べて判定する方法はこの記事作成時点では知られていない。

こうした判定能力についていろいろと研究されているわけだが、3次元の中の図形だけを調べているのに、三葉結び目のように、議論の中に高次元の図形が自然と出てきて、しかもそれが強力な方法として考えられることが多いのだ。

コバノフ・リプシッツ・サーカー stable homotopy typeは超弦理論や場の量子論など物理の最前線とも関係が深く、古典的代数的位相幾何にも繋げることができる、深く意義のあるテーマの一つでもある。

このように、3次元だけを調べようとしても、深いことを考え出すと高次元が必然的に重要になってくるのだ。

「シンプルなモデル化」が数学・物理問わず物事を考察する上での第一歩だが、その逆で一般化(ここでいうところの高次元化)が有効な場合も多いと考えると、ままならないこの世界の面白さを改めて感じる今日この頃である。

後日、同著者がさらに多様体について取り上げた書籍を紹介予定なので、乞うご期待!!

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ここで紹介したのはおすすめ書籍に関する概要と高次元を扱う数学のほんの一部である。

もっと知りたいと思ったら、本書を一読して、「数学の森」の奥深くに進んでみよう。

目指せ!!数学の愛人(笑)!!これぞ賢者への道程!!

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