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爆発する宇宙 おすすめ理学書籍

相対論・宇宙

インフレーション…ビックバン…超新星爆発…ガンマ線バースト…etc.

これら宇宙の「爆発」に関するキーワードを一度は耳にしたことはないだろうか?

現在の宇宙論・天文学では、宇宙はインフレーションとビックバンから始まった。

そしてさらに、超新星や宇宙最大の爆発「ガンマ線バースト」、近年注目されている「中性子星」や「高速電波バースト」など、今この瞬間もさまざまな爆発現象が起こっている。

面白いのは、こうした爆発が我々に無縁なものではけっしてなく、むしろ我々生命の誕生と存在にとって不可欠なものであることだ。ビックバンがなければ生命も誕生しえないのは自明だが、超新星爆発もまた、星の内部で生み出された酸素・炭素・鉄などの元素を宇宙空間にばらまくという重要な役割を持っている。

宇宙空間という「畑」に、超新星がそうした「種」をばらまいてくれなければ、地球も、そして生命も、誕生することはなかったはずだ。一方で、太陽系の近傍で起きた超新星爆発が地球の生命体に重大な悪影響を与えてきた可能性もある。

この記事では、「爆発」を切り口に、宇宙で起きているさまざまなドラマを分かりやすく解説している書籍↓を紹介しよう。

本書のポイントを3つ挙げるとすれば、

① 超新星爆発が宇宙の「爆発」のキホン
② ガンマ線バーストはⅠc型超新星爆発 or 連星中性子星合体で引き起こされる
③ 高速電波バースト:新たな謎の天体にして、次なる課題

さてさて、これらをかいつまんで説明していこう。

(ちなみに、今回ビックバンは取り扱わなかった。上記「爆発」たちは今も宇宙のいたるところで観測されるのに対し、ビックバンは宇宙創世記のイベントであり、現在ではその痕跡しか分からない。そのエネルギーも、桁とか単位とかでは語れないぐらい大きいと試算されるが、逆に言えば推測しかできない現象である。本書ではビックバンも解説しているので、興味を持ったなら是非読まれたし。)

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燃えつきろ!!熱線・烈線・超激線

宇宙における「爆発」としてもっともよく知られたものが、超新星爆発であろう。

超新星とは、ある星が突然、それが属している銀河に匹敵するほど明るくなり、1ヶ月ほど輝く続ける突発天体現象の総称である。

典型的な銀河は太陽のような星をざっと1000億個ほど含んでいるが、超新星がもっとも明るくなった時は太陽のざっと100億倍の明るさに達することがある。

その明るさで1ヶ月に放出される光エネルギーは1042ジュールとなり、太陽が一生(100億年)かけて放出するエネルギーの1%をわずか1ヶ月で解き放ってしまうことになる。

どれだけ明るい現象かおわかりいただけるだろう。

だが、実は超新星から光で出てくるエネルギーは全体から見ればわずかなものにすぎない。

爆発のエネルギー、つまり星を作っていた物質を周囲に吹き飛ばす運動エネルギーは典型的に1044ジュール、つまり光として出るエネルギーのなんと100倍であり、ちょうど太陽が一生かけて生み出すエネルギーにほぼ等しくなる。

ちなみに、超新星の爆発機構は大きく分けて2つのタイプがある。

1つは、太陽と同じく、核融合反応(ただし水素よりずっと重い炭素や酸素などの原子核が燃える)で起きるもので、熱核融合型超新星(Ⅰa型)と呼ばれる。このタイプは、その機構から明るさがほぼ一定であり、宇宙空間の距離を測る標準光源として用いられる。

太陽との違いは、100億年かけてじっくり燃やすか、一瞬で燃やして大爆発を起こすか、というものである。原子力発電と原子爆弾の違いといったイメージだ。

もう1つは重力崩壊型超新星と呼ばれるもので、太陽より8倍以上重い星が進化の最期に潰れて、そこで解放される重力エネルギーによって爆発するものである。ただし、こちらのタイプで物質が引き飛ぶ運動エネルギー(「爆発」)として解放される分は、天体現象として解放される全体エネルギーのさらにほんの一部でしかない。

解放される全重力エネルギーはその300倍であり、3×1046ジュールにもおよぶ。これは太陽の静止質量エネルギーの17%にもなり、原子核燃焼では原理的に生み出すことができないものである。実は、重力はエネルギー効率が核反応よりもさらに高いのだ。

ちなみに、この膨大なエネルギーのすべてが周囲の環境に影響を与えることはない。このエネルギーはほとんどすべて、ニュートリノに転化して放出されるからだ。ニュートリノは他の物質との相互作用が極めて弱く、太陽も地球も楽々と通り抜けてしまう。結局、こちらのタイプの超新星も周囲に与える影響としてのエネルギーはあくまで、物質が飛び散る爆発の運動エネルギー(1044ジュール)なのである。

ここでは超新星の爆発原理やさらに詳細な分類(後述のⅠc型含む)は割愛するので、是非本書を参照されたし。悪しからず。

銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い爆発

ガンマ線バースト…それは超新星爆発すら上回る、「宇宙最大の爆発」という異名まで持つ強烈な天体現象がである。まぁ怖い(笑)

1960年代に発見され、長らく謎の天体とされてきた。だが、今世紀に入って、ある種のガンマ線バースト(持続時間が長い)は非常に特殊な超新星(Ⅰc型)が引き起こす極めて稀な現象であることが明らかになった。

ガンマ線バーストにも2つのタイプ(持続時間の長・短)があり、もう1つのタイプ(持続時間が短い)はどうやら連星中性子星の合体であるということも、この数年間の重力波天文学の創生と発展によってわかってきている。

ガンマ線バーストとは、文字通り、X線よりさらにエネルギーの高い電磁波であるガンマ線が短時間(典型的には数十秒)で放射される現象である。これまでに記録された最大のガンマ線バーストでは、なんとガンマ線だけで太陽の静止質量エネルギーの1.6倍ものエネルギーを出したのだ。

重力崩壊型超新星では、重力エネルギーのほとんどがニュートリノという形で逃げ出してしまうことを考えれば、ガンマ線だけでこのエネルギーを生み出すというのは途方もないことなのである。

ただし、この見積もりはガンマ線がどの方向にも同じように放射されたことを仮定している。より現実に則した、特定方向にジェットとして集中放射された仮定ではもっとエネルギーが小さくなる。

このようなモデル化の試行錯誤や、実際の観測とのすり合わせ、その機構の解明などの歴史もこの書籍で熱く語られている。

謎のひかり!!科学者たちはねむれない

2010年頃は上述ガンマ線バーストの謎の解明もだいぶ進み、天文学にはそこまで心惹かれるような謎の天体はもうないかもしれないと思われていた。

ところがぎっちょん、2013年の春に、一瞬だけ電波で光って消えてしまった奇妙なバースト天体を4つ見つけたという報告があったのだ。

この天体現象で注目すべきはその継続時間であり、どれもわずか数ミリ秒ほどしか光っていない。ガンマ線バーストでもっとも短いものでも100ミリ秒ほどは続くから、それに比べても桁違いに突発現象といえる。その短さ故、今まで天体現象として観測・報告されてこなかったのだ。

現在までに、その振動数の分散から50億~100億光年という宇宙論的な遠距離からやってきていること、発生頻度として毎日全天1000~1万ほどの頻度で起きていること、さらには一度きりのものや繰り返し起こるものなど複数タイプがあることが分かってきている。

筆者いわく、こんな天体はまったく予想すらされていなかったとのこと。そして、この謎に満ちた新天体の謎解きレースが世界中の天文学者の間で今現在始まっているのだ。

今後、高速電波バーストが起きた銀河、つまり母銀河を見つけるための観測が世界中で行われ、その正体は徐々に明らかになっていくと思われる。

そして、その頃にはまた次の「爆発」が発見され、天文学を賑わせ続けていくだろう。

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ここで紹介したのはおすすめ書籍の概要と宇宙で観測される「爆発」についての一部である。

もっと知りたいと思ったら、専門書を読みふけって、「知識の宇宙」へ探索に出かけよう。

目指せ!!宇宙の住人(笑)!!これぞ賢者への道程!!

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