さて、引き続きミレニアム懸賞問題ラストのヤン-ミルズの問題を紹介する。
今回はやっと本題の「ヤン-ミルズの問題」について。
現代物理学の根幹を揺るがしかねない未解決問題を考えていこう。
参考は例のごとく↓の書籍。賢者を目指すブログ主の黙示録。
ヤン-ミルズの問題
ヤン-ミルズ理論が物理学において卓越した成果をあげてきたにもかかわらず、ヤン-ミルズ方程式自体が満足に解けていないというのは驚くべきことだ。
まずは、次の「存在問題」である。
Ⅰ 任意の単純リー群Gに対して、ゲージ群Gを持ち、ヤン-ミルズ方程式を満たす場の量子論が構築できることを示せ。
さらに、物理学的性質はヤン-ミルズ理論から予想される結果にかかわってくる。
例えば、エネルギーや質量は任意の小さな量になることはできず、限界点がある。
この「質量ギャップ問題」は次のように定式化できる。
Ⅱ ある数Δ>0が存在し、すべての励起は少なくともΔのエネルギーを持たなくてはならないことを示せ。
2000年にクレイ研究所はこれら2つの問題の解に対して100万ドルの懸賞金を懸けた。
ミレニアム懸賞問題の選定にかかわった数理物理学者のエドワード・ウィッテンは、存在問題は「素粒子物理学の標準モデルを本質的に理解することにつながるだろう」と記した。
クオークの閉じ込め
ヤン-ミルズ理論に由来する3番目の問題は(懸賞金はかかっていないけれども)、「クオークが閉じ込められる」ことを示すというものだ。
これによって、陽子や中性子から個々のクオークが決して取りだせない理由が説明できる。(クオークは3個の組み合わせか、クオーク-反クオークというペアの形を必ずとっている。)
電荷を持つ2個の粒子が離れていくとき、それらの間に働く力は弱くなっていく。
同じことは、重力や弱い核力でも起こる。しかし、強い核力ではそうはならない。
距離が離れていっても、強い核力は一定なのだ。
その結果、例えば、クオークを反クオークから引き離そうとするときに必要とされるエネルギーは極めて高く、代わりに他のクオークが生成され、置き換えられてしまうほどになる。
この問題を数学の言葉でいうと、「量子色力学で考え得るすべての粒子の状態はSU(3)不変である」ことを示す、ということになる。
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ここで紹介したのはヤン-ミルズの問題に関する大まかな知識である。
もっと知りたいと思ったら、専門書を片手に、「量子の海」へ漕ぎだそう。
目指せ!!新大理論発見(笑)!!これぞ賢者への道程!!
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