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天変地異の地球学 おすすめ理学書籍

理学・哲学
地震、雷、火事、親父

↑の例に限らず、この世の「恐ろしいもの」を挙げる言葉は昔から多く語り継がれている。

この「おやじ(親父)」は、山から吹き下ろしてくる強い風である「やまじ」や「おおやまじ」という言葉がなまって「おやじ」になったという説があるのをご存知だろうか?

これを大風や台風と拡大解釈すれば、つまりは自然災害の恐怖を端的に表しているのだ。

現在(2022年12月時点)、地球温暖化を目のあたりにしながら、私たちは新型コロナの爆発的なパンデミックのさなかにいる。

これらは、言葉を選ばなければ、「人類が引き起こした天変地異」であり、それに対して払うべき代償はけっして小さくはない。

しかし、人類はそれでも絶滅はしないだろう。

「禍福はあざなえる縄のごとし」という言葉がある。(一部の上弦の鬼は激怒するけど(笑))

温暖化にはスノーボールアース(全球凍結:寒冷期の究極版。過去そのようなことが数千万年から数億年続いた時期が何度か起こったとされている)を回避するというポジティブな一面も考えられる。

また、昨今では生命史の中でのウィルスの役割についていろいろな研究が進んでおり、じつはウィルスこそが人類の進化に寄与しているという考え方もあるのだ。

万物は流転する
(古代ギリシャの哲学者 ヘラクレイトス)

やや極論ではあるが、自然災害や天変地異のサイクルを知り、そうした広い視点をもって世界をみることは、日々の生活の役には立たなくても、少しだけ楽しく生きられるようになるのではなかろうか。

…さて、長々と前口上を述べてきたが、今回はそんな天変地異のサイクルについて、様々な地質学の状況証拠を挙げて、「空想地球科学」的に真実に迫る書籍を紹介しよう。

なお、以前に地球の過去(累代・超大陸・大量絶滅)に関する記事を作成したことがある。

地球の過去と大陸の未来の豆知識
最近、自然が私たちに与える影響について、我が心の師匠であるメンタリストDaiGoが分かりやすく解説してくれた動画を視た...

今回のおすすめ書籍↓でもそれらを主テーマとして取り上げており、ブログ主も知識のアップデートできた。ヒャッホー♪(↑の記事も一部修正済)

それでは、「空想地球科学」的に地球内の要因と地球外の要因を考察して、天変地異サイクルを引き起こす壮大なトピックを3つほど取り上げていこう。

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ミランコビッチ・サイクル:2万年・4万年・10万年周期

セルビアの物理学者ミランコビッチは1920~1930年代に、寒冷と温暖は約2万年・約4万年・約10万年という3通りの周期で繰り返されているという仮説を提唱した。

北緯65度(アイスランドあたり)の地域での太陽の日射量の変化を、地球と太陽の関係をもとに手計算によって求めたところ、そこに周期があることを見出したのである。

1つ目の2万年は地球の歳差運動から割り出された周期だ。歳差運動とは地球の自転軸の向きが公転しながら周期的に変化するもので、その周期は1.8万年~2.3万年とされている。

2つ目の4万年は地軸の傾きが変化する周期だ。地軸は太陽の行動面から約23.4度傾いているが、じつは22~24.5度ど周期的に変化しているのだ。

3つ目の10万年は地球が太陽の周りを公転する軌道が変動するサイクルである。惑星の公転軌道はケプラーが発見したように楕円なのだが、じつは楕円の形が少しずつ変化している。楕円が最も横長になるときと、最も円に近いときでは、太陽と地球との距離は最大で1827万kmも変わるが、これが10万年周期で繰り返されているのだ。

これら3つの条件の違いが太陽からの光の量に影響を与え、結果として地球の気候に影響を与えるというのがミランコビッチ・サイクルである。

この周期は、海底や湖底の堆積物から得られた酸素同位体比による曲線から求めた寒暖の周期とよく一致する。2万年・4万年・10万年という3つの周期の最小公倍数は20万年となり、これは氷河の発達や気候の寒冷化のサイクルともよく一致しているのだ。

ミランコビッチ・サイクルは、寒冷と温暖が繰り返す気象現象を、太陽からのエネルギーという外因によるものと考える点で、地球システムの考えにも合致している。

ウィルソン・サイクル:3億年周期

これまで生物に大きなダメージとなってきたイベントとして、海での天変地異がある。

新生代の第三紀(約6600万年前~約258万年前)に起こった三大海洋事件として、

① 南極還流の成立
② 黒潮の発生
③ パナマ海峡の閉鎖
(詳細は書籍を参考されたし。)

…が挙げられ、古生代にもしばしば海洋無酸素事変が起こっていた。(詳細は…以下略(笑))

これらが生物の生存環境を激変させて、種を大きく減らし、ときに大量絶滅を引き起こしてきたことは確かであろう。

では、これらの原因となったものは何か?

天変地異は大きくなるほど、いろいろな要因が束になって複合するので一概にはいえないが、海洋の異変を起こす大きな要因の一つが「超大陸」である。

超大陸とは、現在ある地球上の大陸が、かって一つにまとまっていたという考えから仮定される巨大な大陸のことである。これまでに形成と分裂を繰り返してきたと考えられていて、地球で最初の超大陸は約30億年前にあった「バールバラ」であるとも、19億年ほど前の「ヌーナ」であったともいわれている。ただ、いちばん新しい超大陸は、3億~2億年前(ペルム紀末)に形成された「パンゲア」というのが定説になっているのだ。こういうことは古地磁気の調査などでわかるとのこと。(プレートテクトニクス説も含めた詳細については…以下略(笑))

超大陸パンゲアはペルム紀末に、ローレンシア大陸・バルティカ大陸・ゴンドワナ大陸・シベリア大陸など、当時存在したすべての大陸が衝突して、一つになったとされている。

しかし、2億年前頃(三畳紀)からパンゲアは再び分裂を始めたのだ。やがて、南米大陸・インド亜大陸・オーストラリア大陸・アフリカ大陸がパンゲアから分裂して、北上していった。

そのために孤立した南極大陸の周囲に、約3300万年前に発生したのが南極還流だ。また、約1700万年前にインド-オーストラリアプレートがインドネシアンゲートウェイに衝突してできたのが黒潮であり、約300万年前には北米大陸と南米大陸がつながってパナマ海峡が閉鎖され、大西洋と太平洋が遮断された。これら三大海洋事件によって、海洋の循環に大変動が起き、生物の生存を脅かしたことを想像に難くない。

また、ペルム紀末の海洋無酸素事変も、パンゲアの分裂によって、大陸であったところに狭い海が形成され、海流の流れが阻害されたことで海洋底に酸素が行き届かなくなったことが大きな要因とされている。生物の生存に適した海岸線の浜辺や渚も、大陸の接近によって失われた。こうしたことが生物の大量絶滅につながったのだ。

パンゲアの分裂はさまざまな影響を全地球的にもたらし、生物に甚大なダメージを与えた。

しかし、地球ではパンゲア以前にも超大陸の形成と分裂が繰り返されたと考えられている。ツゾー・ウィルソンは次のような仮説を立てた。

超大陸にはまず、なんらかの原因で東アフリカ リフトゾーンのような亀裂ができて、やがて現在の紅海(アフリカ大陸とアラビア半島の間の内海)のような狭い海ができて、それがアデン湾のように細長く広がり、やがて大西洋のような大きな海になって、引き裂かれていく。
バラバラになった大陸は、それぞれが移動して、別の大陸に衝突する。
そうして少しずつ大きな大陸ができ、またそれらが衝突して、ついにはすべての大陸が集結して、一つの大陸となるのだ。
超大陸ができる場所は、それ以前にあった超大陸からみて、地球の反対側になる。

ウィルソンは、このような超大陸の形成と分裂は、およそ3億年の周期で繰り返されているとした。これが「ウィルソン・サイクル」である。

ランピーノの回転木馬説:3000万年周期

ニューヨーク大学教授のランピーノは、地球上で起こるさまざまな天変地異を、天体の運動と関連づけていくという大胆な仮説を立てた。

地球史上で起こった生物の大量絶滅の多くは隕石・彗星・小惑星の衝突が原因であり、それらは周期的に繰り返されているという仮説だ。そして、その周期は太陽系が天の川銀河の中を回転運動しながら1周することで生みだされる。

(天の川銀河の詳細については以前の記事を参照されたし。)

銀河についての豆知識
この記事で紹介するのは銀河についての豆知識。参考は↓の書籍。賢者を目指すブログ主の愛読書。(funct...

天の川銀河は渦巻き形をしていて、4本の「腕」をもっている。それぞれの腕は銀河の中心から螺旋(対数螺旋)を描いて、約12度の角度で伸びていて、「ペルセウス腕」「じょうぎ腕」「たて腕」「りゅうこつ腕」といった名前がつけられている。

「腕」は恒星が密集している領域であり、太陽系が銀河を1周する際には、「腕」に入るときに恒星が多くなり、「腕」を出るときに少なくなる。したがって、1本の「腕」を通過する際には、疎→密と密→疎という2回、「腕」4本で計8回の変化を経ることになるのだ。

太陽系は天の川銀河を約2億5000万年かけて1周する。その過程で、メリーゴーランド(回転木馬)のように上下しながら回転運動をしているのだ。

ランピーノの考えは、この回転木馬の運動によって生じる揺らぎが、太陽系のもっとも外側を取り囲んでいるオールトの雲に伝わって、そこから放出された彗星や小惑星が地球に落下してくるのではないか、というものである。

クレーターの分布や生物の絶滅の周期などのデータを集めて、そこから信頼できるデータを抽出して検討し、彗星や隕石の落下には約3000万年という周期があることを指摘できる。

著者はさらに、前述8回の疎密の変化が1周の間(約2億5000万年)に起こることから、3000万年毎に太陽系の惑星が「腕」による影響を受けることとも矛盾しないと説いている。

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ここで紹介したのは自然災害や天変地異についてほんのひとかけらの豆知識である。

もっと知りたいと思ったら、専門書を詰め込んで、「理学の頂」の山登りに出かけよう。

目指せ!!理学の友人(笑)!!これぞ賢者への道程!!

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