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物理数学を一から学ぶ ~更に向こうへ~

数学
本書は、「物理や数学の基本の基本事項はそれなりにわかったつもりなのに、いつまでたっても標準的なレベルの物理学の本を読むことが難しいと感じる」という方々を対象として、物理数学の中級者向けの解説を扱ったテキストです。

物理数学を系統的に学び始めるとき、多くの場合は「力学」や「電磁気学」といった物理学そのものの前に(あるいは同時並行に)、その前提としての「物理数学」を学習することになるでしょう。
この"最初に学ぶ物理数学"の段階では、微分積分や線形代数の基礎事項、ベクトル解析やフーリエ変換の計算法など、物理現象を扱う上で欠かせない必須技能を身につけます。
そして、そのような必須技能として"最初に学ぶ物理数学"を一通り習得した上で、さらに上の学年において、「量子力学」や「熱・統計力学」へと学習を進めていくことになるのが通常のカリキュラムだと思います。

そして、標準的な物理学の基本事項を身につけた後に、エレクトロニクスなどの応用物理学や物性物理学宇宙論素粒子論AIを含む情報理論などといった、もう少しアドバンストな内容に進んでいくことになるでしょう。
むしろ、本来はそういったことを知りたくて物理学の基本事項を勉強し始めるというのが通常かと思います。

ところが、この発展的な内容を勉強する段階で用いられる数学的技能が、"最初に学ぶ物理数学"の範囲だけでは賄いきれず、「急激に難しくなった」とか「知らない数学が多すぎる」と感じる方も少なくないようです。
しかし、そう感じる方がいることも、ある程度は仕方のないことで、"最初に学ぶ物理数学"で扱う内容が増えすぎると、力学などの物理学の基本事項を勉強し始めるまでの道のりが長くなりすぎますし、逆に物理的な知見をある程度得て(実際に数学を用いる場面を見て)からの方が、難しい数学的技能を習得しやすくなるということもあるでしょう。
しかしそれでも、このギャップが多くの初学者を悩ませていることは、大変残念なことでもあります。

そこで本書では、物理学の基本的な内容は扱えるようになったけれど、本当に知りたいところとの間に壁を感じている人を対象に、「物理学の初級コースと中・上級コースのギャップを、少しばかり緩和するための数学的技能を解説したテキスト」となることを目標としました。
そういう意味で、全くゼロから物理数学を学ぶ場合には、通常の入門編としての物理数学のテキストを利用してください

(おすすめ書籍「はじめに」より一部編集して抜粋)

さてさて、解析力学を取り扱った前回の記事↓にて、「解析力学は物理数学のゴール」という個人の考えを披露した。

解析力学を一から学ぶ
解析力学を学ぼうという人は、すでに力学を学んでいることがほとんどであろう。これまでに習った力学では、ニュートンの運動方...

ところがどっこい、更に直近に入手した今回のおすすめ書籍↓を読んで、行列, 関数の解析, 確率・統計, ベクトルそして変分法に関連する事項を存分に味わって、物理数学の向こう側はそんな狭いものではないということを改めて思うに至ると。

大・爆・反・省!! 爆豪勝己のように誠心誠意をもって謝りたい(笑)

…というか、今回のおすすめ書籍↑の内容が素晴らしすぎる!!

もしももっと早くに識れたなら、数学的技能と同じぐらい物理的知識も扱っているような、こんな”名著”に出会えていたら、理学部の学部時代はもっと生きやすかったかな…

……とブログ主の脳内でトガヒミコが好きに書いて好きに書いた(?)のが本記事である。

各章のポイントのみをチウチウしているが、それも良し (自己完結(笑))。乞うご期待!!

(なお、冒頭にもあるように、物理数学を一から学びたい人は↓の記事を読まれたし)

物理数学を一から学ぶ
「物理数学」?物理なの?数学なの?どっちも?大学物理の参考書ゾーンに力学・解析力学・電磁気学・熱統計力学・量子...
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行列の指数演算

物理数学から継承された力:行列式、トレース、対角化

この章で育て上げて紡ぐ力
・行列の指数関数
・行列の指数関数の微分
・指数部に複数の行列を含む場合
・直積空間
・行列の直積

<本書より>
本章では、行列の指数演算の特徴を理解し、その計算技法を修得することを目指します。
これは、行列の統計力学や場の量子論、あるいは力学系の記述などで非常に頻繁に遭遇するものですが、まとめて勉強する機会は意外と少ないものです。
行列の対角化を頻繁に利用するために、計算量が多くなる傾向があるので、具体例を通して少しずつ慣れていきましょう。

Plus Ultra:量子力学、量子系の統計力学

群論による対称性の理解

物理数学から継承された力:行列、写像の基礎

この章で育て上げて紡ぐ力
・群の定義
・大直交定理
・指標の(第1種)直交性定理
・群の表現に含まれる既約表現の数
・特殊ユニタリー群 SU(N)

<本書より>
結晶格子や分子、あるいはある種の構造をもった時空のように、それなりに"きれい"な舞台で起こる物理現象を調べる際には、その系のもつ対称性を上手に活用できる場合があります。
また、「群論がわかるとゲージ場の理論が理解しやすい」などといった、群論を学ぶメリットについて聞いたことのある初学者の方が多いかもしれません。

確かに、そのような場合に群論を用いることで物理の見通しを良くすることができるのですが、群論そのものは本来、ガロア理論に代表されるように代数学の基礎となるものであって、物理学ではその一部の対称性にまつわる部分を利用することが多いと思います。そのため、物理学への応用面と群の定義の乖離が大きく、関連性を見失いやすい単元でもあるようです。

本章では、結晶や分子、あるいはゲージ模型などといった個別具体的な系の設定は扱っていませんが、それらを扱ったテキスト類にスムーズにつながるように、群論を用いて物理系の対称性を理解するための最初のステップとなる部分を解説します。

Plus Ultra:場の量子論、素粒子論、物性理論、化学分析

ルジャンドル変換

物理数学から継承された力:接線、全微分、極大極小

この章で育て上げて紡ぐ力
・凸関数
・ルジャンドル変換
・全微分との関係

<本書より>
本書では、ルジャンドル変換の基本的な理解を通して、物理系への応用の意味がわかるようになることを目指します。
ルジャンドル変換自体は、解析力学や熱力学などで利用した経験のある方も多いと思いますが、その操作の目的や動機を見失わないように、数学的技能としての側面をまとめて考えてみましょう。
後半では、具体的な物理系に応用してみます。

Plus Ultra:熱・統計力学、解析力学

複素積分の利用

物理数学から継承された力:1価関数についての複素積分や留数定理

この章で育て上げて紡ぐ力
・多価関数の複素積分
・主値積分
・iε処方
・クラマース - クローニッヒ変換

<本書より>
複素積分を利用した実関数の積分は有用で、物理系の解析に非常に多用されます。
しかし、複素関数の取り扱いでは、ある程度複雑な関数になると注意しなくてはいけないことがあります。
本章では、多価関数の複素積分を手掛かりに、そのような関数の積分を扱いやすくするために「リーマン面」や「ブランチカット」, 「主値積分」といった混乱しやすい内容について解説します。

Plus Ultra:場の量子論、確率過程

特殊関数 ~母関数と解析接続による導入~

物理数学から継承された力:数列の基礎、微分方程式、積分

この章で育て上げて紡ぐ力
・関数列の母関数
・エルミート多項式
・ルジャンドル多項式
・解析接続
・ガンマ関数
・ベータ関数
・ゼータ関数

<本書より>
物理系の解析にあたり、複雑な微分方程式を扱わなくてはならなくたっときや、原始関数がすぐには見出せないような複雑な積分をしなくてはならないときなどに、ある一連の関数の集まりを系統的に調べておくと便利な場合があります。
このような関数のうち、特によく用いるものには名前が付いていて、それらをまとめて特殊関数とよびます。

特殊関数の導入にはいろいろな方法がありますが、ここでは見通しの良い2つの方法、すなわち母関数と解析接続を用いた方法を紹介します。
あくまでも、いくつかの具体的な特殊関数の取り扱い方を示すに過ぎませんが、特殊関数の全体を俯瞰することよりも、取り扱い方の基本的な道筋を修得することによって、物理学の学びの中で混乱しないようになることが目標となります。

※どのような関数を特殊関数とよぶのかについての明確な定義はあまりなされないようですが、物理学で用いる典型的なものは、それとわかる名前が付けられていることが多いです。

Plus Ultra:量子力学、統計力学、場の量子論など

確率

物理数学から継承された力:積分、統計力学の基礎

この章で育て上げて紡ぐ力
・期待値
・確率密度関数
・指数分布族
・特性関数
・条件付き確率
・ベイズの定理

<本書より>
量子力学や統計力学では、現象を確率的に取り扱います。
本章では、そのような確率の扱い方の基本を見直すという意味で、確率空間の基礎を身につけ、ベイズの定理の意味を理解し、標準的な問題に適用できるようになりましょう。

Plus Ultra:量子力学、統計力学、およびその応用分野全体

確率過程

物理数学から継承された力:確率の基本事項、フーリエ変換、多重積分、平衡系の統計力学

この章で育て上げて紡ぐ力
・ウィーナー - ヒンチンの定理
・マルコフ過程
・マスター方程式
・ランジュバン方程式
・フォッカー - プランク方程式

<本書より>
ゲームを繰り返したときの勝率の変動やブラウン粒子(微粒子)の運動などのように、試行を時系列に沿って何度も行うと、確率変数が時間の関数として得られます。
このように、時間と共に変化する確率変数を確率過程といいます。
本章では、確率過程の基礎的な解析手法を具体的な例を通して紹介し、物理学におけるいくつかの対応する系に応用できるようになることを目指します。

Plus Ultra:非平衡系の統計力学、経済理論、神経回路など

エントロピー

物理数学から継承された力:場合の数と確率

この章で育て上げて紡ぐ力
・自己情報量とエントロピー
・ボルツマンの公式
・2つの確率変数の関係
・KL ダイバージェンス

<本書より>
エントロピーは、物理学では熱力学や統計力学で重要な役割を果たしますが、一方で、確率論の一環として導入される数学的な概念の一つでもあります。
異なる2つの側面から現れるために、混乱してしまう人の多い概念かもしれません。
本章では、数学的な側面と物理的な側面を区別できるように、確率論をもとにして標準的な議論を身につけ、その上で物理系に適用できるようになることを目指します。

Plus Ultra:統計力学、熱力学、情報科学など

情報の統計理論とその応用

物理数学から継承された力:確率、多変数の微分積分

この章で育て上げて紡ぐ力
・無作為標本
・標本平均、不偏分散
・中心極限定理
・最尤推定
・区間推定
・検定

<本書より>
対象が自然現象とするかどうかにかかわらず、科学的なアプローチをするためには、データとして情報を取得することが最初のステップとなります。
取得された情報は、対象となる事物そのものではないので、得られたデータから知りたいことへと「翻訳」し、有効に活用できるようにする必要があります。
これを担うのが統計や情報理論です。

本章では、最も基本的な母集団と標本の関係をもとにして、統計的な情報の扱い方の基礎を紹介すると共に、推定や検定の原理と応用を身につけることを目指します。

Plus Ultra:観測・実験、データ分析、誤差論、情報理論、生物物理など

完全反対称テンソルとベクトル解析

物理数学から継承された力:ベクトルの内積と外積

この章で育て上げて紡ぐ力
・完全反対称テンソルを用いた外積の表示
・完全反対称テンソルの公式
・物理学でよく使う関係式

<本書より>
電磁気学を中心として、ベクトル量の微分法に関する技法がよく用いられますが、これらは、物理数学ではベクトル解析という単元名でよばれることが多いかと思います。
これは多次元(多くの場合3~4次元)の変数をもったベクトル量の微分を統一的に表しています。
いまでこそ、物理数学の初歩として扱われることの多いベクトル解析ですが、現代的な意味での微分演算子∇を利用して、系統的にその演算規則がまとまったのは比較的最近のことで、20世紀以降のことになります。

ここでは完全反対称テンソルの使い方に慣れ、3次元のベクトル解析の計算を成分によって実行できるようになりましょう。

Plus Ultra:電磁気学、流体力学などの応用分野

微分幾何学で用いる計算技法

物理数学から継承された力:ベクトル解析、変数変換(座標変換)

この章で育て上げて紡ぐ力
・計量テンソル
・一般座標変換
・計量テンソルからリーマン曲率を求める
・測地線方程式

<本書より>
リーマン幾何学というと、物理学では、一般相対性理論などの特定の分野や、その他の発展的な議論において用いる程度であって、微積分などのようにあらゆる物理現象の解析に登場するというわけではありません。
しかし、ひとたび使う必要が生じたときには、他分野で用いる数学との見かけの違いに戸惑うことも多いかと思います。
そこで本章では、多様体に詳細には立ち入らずに、まずは「何をどう計算しているのか」を理解することで、最初のハードルを下げることを目標とします。

Plus Ultra:一般相対性理論、宇宙論、情報幾何学など

変分法による基本法則の表現

物理数学から継承された力今までの章で紡いできた力

この章で育て上げて紡ぐ力
・変分法
・基礎方程式のラグランジアンの推察
・熱力学的変分原理

<本書より>
変分法の紹介として、変分法を用いて力学・量子力学・電磁気学・熱力学・統計力学における基本法則を復習してみましょう。
またこのことが、今までの章で紹介したいくつかの数学的技能を利用する練習にもなります。

Plus Ultra:基礎理論…そして理論物理へ…

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記事を終えるのが寂しくないと言ったらウソになるけど、久々に出会った名著をこんな風に誰かに紹介できるなら……

大・爆・満・足!!(笑)

Plus Ultra」と思ったら、いつまでもいつまでも専門書に手を差し伸べ続けよう

目指せ!! 最高のヒーロー!!(笑) これぞ賢者への道程!!

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