先日、ブログ主の物理観に多大な影響を与えている吉田伸夫先生の新刊が発売された。
↓この本では、量子力学を特に波動のイメージに基づいて解釈し、「多世界解釈」・「観測問題」・「量子もつれ」・「シュレディンガーの猫」の4つの謎を物理現象として解説している。量子力学の物理描像がわかりやすい、最高におすすめの書籍。
…どうせまたいつもの通り、この本の概要を語るんだろ?
確かに、その方針だったのだが、ふと以前の量子力学の記事を改めて見てみたら…
「あれ!? これって周辺知識だけで、肝心の量子力学について何も語ってなくない?」
…と気づいてしまったのだ!! なんたる失態(笑)
まぁこれにも理由がある。この記事にある通り、量子力学の「答え」は未だかつて誰も到達していない。また、個人的にも現在進行形・日進月歩でその物理描像を探索している真っ最中である。要するに曖昧模糊として非常に表現しづらかったのだ…。
だが、「量子とともに生きる」のが人生の目標である以上、量子力学に対する個人的見解をアウトプットする機会は避けてとおれない。
…てなわけで、前置きが長くなったが、この記事ではブログ主が考える量子力学のポイントを3つに絞って語らせていただこう!!
批判・否定は大いに結構!!まだ道半ば。それらが俺を強くする(笑)
① 物理現象の根底は「波動」と「場」である
② 「場」にはこれ以上分割できない最小の「領域」があり、それが量子効果を生む
③ すべては「万物の理論」から諸要素を近似していったものである
さてさて、これらをかいつまんで説明していこう。
「場」を伝わる「波」が森羅万象
よく量子力学の解説で「粒子であり波でもある」というフレーズを耳にするが、はっきり言ってこれは間違っている。
物理現象の根底に粒子はいない。すべては波なのだ。
物理学の歴史には、光子・電子を対象とした、粒子性と解釈される各種実験が数多ある。
これも、周囲からの相互作用が弱い波はあくまで「粒子様」の性質を示すということであり、決して「粒子である」ことではないのだ。
後述の項とも内容が被るが、粒子とみなすのは孤立した定在波の近似であり、そうした方が量子力学的な計算がしやすいのだ。(そうした近似をしないと、計算量が莫大になってしまい、現実問題として工学などの各分野に利用・応用できない。)
再度結論を言おう。物理現象の根底に粒子はいない。すべては波なのだ。
クォークであれ、電子であれ、光子であれ、ヒッグス粒子であれ、重力子であれ、すべてはそれらが存在する場を伝わる波であり、場の重なり合い(x軸の波が「作用」という座標変換によってy軸方向に回転していくといったイメージ)を通じて相互作用し合っている。
これがブログ主が思い描く「世界観」である。
「最小領域」の情報は有為転変
量子力学の歴史からいくと、
xp-px=iℏ (xは場の「位置」を表す要素、pは場の「運動量」を表す要素)
…という交換関係が量子力学体系すべてを成す基本式となる。
これにより、かの有名な不確定性原理は導かれるが、ブログ主の物理描像では逆である。
物理現象の根底には、これ以上分割できない「最小領域」がある。
場の「位置」が横軸、「運動量」を縦軸とすると、デジタルカメラのピクセル的なイメージで、最小のマス目が存在するのだ。
このマス目内部の情報を知ろうとしても、これ以上は分割できないので、マス目の面積(座標の取り方や次元の取り方次第で体積でもなんでもいい)「ℏ」という単位のまとまった情報より細かくは知りえないのだ。(これにより不確定性原理が帰結され、交換関係が導かれる。)
これは、場のモデルによって「プランク長」であったり、ループ量子重力理論の「プランク時間」だったり、超弦理論でいう「弦の太さ」としてもいい。
いずれにせよ、ブログ主の「量子力学」観では、「場」に最小単位としての「領域」が存在し、それによる分割不能の情報から各種「量子効果」が導かれるのだ。
「近似」の根源には金科玉条?
前項でもいったように、「場の量子論」での孤立した定在波が「粒子の量子力学」での粒子と近似され、それによって各種計算がなされる。
話をさらに進めると、「粒子の量子力学」での粒子性を「点」として近似し、量子効果を背景要素としてパラメータ化(もしくは「十分小さい」として無視)することで古典力学が導かれる。
こうした近似をする前の「場の量子論」による素粒子標準模型も、粒子の各要素が「くりこみ」という近似手法を用いて定数化されている。
他にも、弱い力と電磁力は「電弱力」からヒッグス粒子による場を分離した近似であり、この「電弱力」と強い力も(まだ仮説段階だが)「大統一理論」から未知の場を分離した近似である。
ループ量子重力理論なら空間は「ノード」同士の「リンク」によるループネットワークの大局的な近似だし、超弦理論はM理論の次元を一つ繰り下げた近似だ。
このように、何か根源的な理論があり、現在わかっていること・目に見えること・計算できることはそこから各種要素を近似していった応用モデルに過ぎない。
それが量子力学と相対性理論をつなげる「万物の理論」なのかはわからない。
あるいは、「万物の理論」も何か別の根源的な理論の近似なのかもしれない。
…⇒ 「上位の力学体系」 ⇒[近似]⇒ 量子力学体系 ⇒[近似]⇒ 「下位の力学体系」⇒…
↑これがブログ主の考える現在の量子力学体系の全体像である。
(注:ここでいう「上位」と「下位」は別にそれより優れているとか劣っているとかそういう意味合いではない。あくまで[近似]前後という意味の表現である。)
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量子力学…なんたる叡智の響き、現代物理学で相対論と並ぶ二本柱の一本(2回目(笑))
この記事ではブログ主の現在考える「量子力学」観について、より抽象的に…より自由に…広く物理現象をイメージしやすいように努めて解説した。
もちろんこれが正しいと確信は持てない。今まで誰も正解に辿り着いていないのだから。
人類は「答え」にたどり着けるのか? はたまた、「答え」はそもそもあるのか?
もっと知りたいと思ったら、専門書を片手に、「量子の海」へ漕ぎだそう。
目指せ!!新大理論発見(笑)!!これぞ賢者への道程!!
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