本棚を見ればその人がわかる
誰が言ったかは知らないが(笑)、昔から一度は耳にする格言。
最近は業務に加え、専攻分野の勉強やデータまとめ・論文作成にある程度の時間を割いており、部屋の本棚もいろいろと整理している今日この頃。(とはいっても、入らない書籍は実家に送るだけなのだが(笑))
そこで棚卸しと知見の復習も兼ねて、今回から数記事にかけて「○○分野の本棚」と題し、現在の自分ならこの書籍をkey bookとして本棚に入れまっせということを取り上げていこう。
もちろん、その分野の全ての書籍を網羅することは不可能だが、いわゆる古典的名著と呼ばれるものは紹介書籍内で引用されているし、「これ一つの記事で十数冊~数十冊分の知見」を目指して「本棚作成」しているので、乞うご期待!!
(いつもと同様、「初学者」=学部教養レベル、「初級者」=学部3~4回生レベル、「中級者」=大学院レベル、「上級者」=専門職レベルとした。
例えば、初学者向けはこのブログで普段扱っている本を、上級者向けは分厚い専門書や論文やarXivなどを想定している。
なお、改めて「本棚作成」してはいるが、これまでの書籍まとめ系の記事↓も魂を込めて作成しているので、参考にいただければ幸いである。)
1st STEP ~概観をインプット~ (初学者)
ブログ内でたびたび挙げているが、自身の「物理感」や「物理学的描像」を構築するのに大いに影響を受けた三大「心の師匠」の一角、吉田伸夫先生の著書をまず本棚に入れよう。
読み物としての量子論の本が数多くあるけれど、ここまで量子論の歴史と本質に向き合った本は(少なくともブログ主の知る限りでは)他にはないと考える。
なお、ブログ主の想う量子力学の描像については、↓記事をご覧あれ♪
2nd STEP ~院試レベルのインプット・アウトプット~ (初級者)
<インプット>
学部レベルでは「粒子の量子力学」の基礎を本棚に入れよう。
猪木先生・川合先生の著書↓は演習(アウトプット)としても使える良書だ♪
また、各物理分野の基礎から量子論へと繋げていく考え方は、後述「場の量子力学」にも生きてくるので、高橋先生の著書↓も本棚へ。(前もって言っておくと、そうしたネットワークとして、高橋先生・柏先生の著書はほぼ全て本棚に入れることになる。お二方、あざっス(笑))
個人的な感覚だが、化学結合・分光(振動と回転)・磁性や量子統計などを扱う、分子レベルの量子力学をいわゆる「素粒子物理屋」さんは全然詳しくなかったりする。(「物性物理屋」さんや「理論化学屋」さんが素粒子論に詳しくないパターンとvice versa。まぁ扱うエネルギーの単位が違うから、しゃーなし。)
物性物理学や量子情報理論まで拡張してしまうと並びに雑多感が出てきて美しくないので、最小限の量子化学↓ぐらいは本棚に入れて、「量子論感」を少し拡張しておこう。
<アウトプット>
さぁ、インプットは一通り終わったぞ?
あとは問題集を本棚に入れるのみ!! (解かないんかい(笑))
3rd STEP ~修士レベルのインプット・アウトプット~ (中級者)
<インプット>
さて、修士レベル(というか院試終了後)ではいよいよ「場の量子力学」の本の登場だ♪
まずは前述にもあるように、各分野の基礎から「場」の考え方へと繋げていこう。
だいぶ高度(博士レベル)になるが、場の量子論の数学的・理論的な力を鍛え上げるなら↓を本棚に入れるべし。(せめて読めよ(笑))
<アウトプット>
そして、お待ちかねの問題集を本棚に入れるターン(?)だ!!
宣言通りの↓高橋先生・柏先生ラッシュ(笑)
<素粒子論>
ここまで来たら、あとはゼミや自習で使用する高度なインプット↓を本棚にしまって、議論(アウトプット)に備えよう!! (だから読めよ(笑))
以上がブログ主の量子力学の最強の本棚である。棚卸し完了!! 大・満・足♪
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いつものように、「上級者」から先の道程は自分自身で手探って進んで欲しい。
この記事を参考に、「自分の本棚はこんな感じ♪」といった報告があれば幸いである。
「これらはインプット。アウトプットもお忘れなく」…なんて堅苦しいことは今回は無しで。
コレクション上等!! 揃っているだけで一定の満足感。本棚ってそういうもんだろ?(笑)
もっと知りたいと思ったら、知恵の図書館を共に共有していこう!!
これ「も」賢者への道程!! 全てが賢者への道程!!
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