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理論物理学を専門的に学ぶ ~2010年代から2020年代のおすすめ参考書を中心に~

理学・哲学

「先生のおすすめの専門書を教えてよ♪」

それは相対論に並々ならぬ情熱を持った(?)精神科の上級医からの質問だった。

このブログではおすすめの理学書を紹介することをコンセプトとしているが、あまりに専門的になり過ぎるとそれはそれで一般性を欠くかなと思い、ブルーバックスや幻冬舎新書などを中心に「一般書」を取り上げることが多かった。

だが先日、理論物理に関心があるその医師に当ブログと相対論について話していたところ、読み物的な一般書だけでなくて、大学の専門課程で読むような参考書も知りたいという要望があったのである。

いい機会なので、自分の趣味も含めて、理論物理学の初級~中級の専門書を紹介しよう。

ただし、「名著」と呼ばれる古い参考書を紹介しても、それはそれで数が多すぎるため、ここでは2010~2020年前後を中心として比較的新しめの書籍を取り上げる。悪しからず。

(ここではランクを初学者:学部教養レベル → 初級者:学部3~4回生レベル → 中級者:大学院レベル → 上級者:専門職レベルとした。初学者向けはこのブログで普段扱っている本を、上級者向けはトピックをまとめた専門書やそれこそ論文やarXivなどを想定している。)

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初学者向け ~この機会に最近買った本をチラッと~

結局、いつもどおり一般向け書籍の紹介を挟むあたり、抜け目ない(?)ブログ主である(笑)

最近読んで面白かった本なので、許されたし。

ハーバード大学で300年近い歴史がある「ホリス数学・自然哲学教授」にして、超弦理論などの研究で理論物理学をリードしてきたカムラン・バッファ氏が、大学1年生向けの講義で使っているパズル満載の型破りなテキストを書籍化。
トランプやコイン, アリやカメらが繰り出す問題に悩むうち、物理学はどう進歩してきたのか、対称性やその破れがなぜ重要なのか、さらにいま注目の概念「双対性」の本質までが見えてくる。
現代の物理学と数学の中核をなす概念を、パズルを通してひととおり説明するというすばらしい本。
風変わりで魅力的なアプローチで、初学者も専門家も頭の体操に楽しく取り組みながら学べ、世界屈指の物理学者から、最先端の本質的な考え方を楽しみながら効果的に吸収できる。

初級者向け ~ただの問題集の羅列~

理論物理学の大学学部レベルというと、以前にも軽く紹介したように、力学・解析力学・電磁気学・熱統計力学・量子力学・物理数学などが挙げられる。

固体物理学の基礎や物理化学(液相・気相の理論)なども含めれば、理論物理学の初級者としての基礎積みは事足りるのではなかろうか。

正直、このレベルの参考書は数が多すぎて、「これが一番!」という本を選ぶのは難しい…。

まぁブログ内で一貫して言っていることだが、インプット(読む)だけではなくアウトプット(解く)も重要であるため、ここは実際自分が大学院試験などのために使っていた問題集(の新装版)を紹介しよう。

(ただし、大学院試験そのものについては、過去問を超える参考書はない! 注意されたし。)

↑の他に+αとしておすすめするとしたら、敬愛する吉田伸夫先生の相対論の書籍↓

中級者向け ~ここからが本番! ブログ主が愛する専門書たち~

さぁここからは現在進行形でブログ主が趣味で読み耽っている専門書を紹介していこう♪

<基礎積みの応用編>

ここでは特に量子論・相対論・統計力学の基礎積み感覚で使っている参考書を挙げよう。

お気づきかもしれないが、一貫して高橋康先生と柏太郎先生コンビの書籍だ(笑)

それぞれの内容の相関性・互換性が便利で応用が利くので愛読している。

<量子論>

読み物として、KEKシリーズを取り上げよう。

標準模型については少し古い書籍(の再販版♪嬉しい♪)だが、悪しからず。

<宇宙論>

以前の記事を参考にされたし。

ここでは特に読み込んでいる専門書を紹介しよう。

<量子重力理論>

ループ量子重力理論超弦理論などが話題の中心。

内容自体が超専門領域であるため、上級者よろしくarXivや論文などの方がよいか?

とりあえず、↓おすすめの愛読書。この記事内ではこれが一番のお気に入り♪

最後に↑の書籍より、最先端科学の捉え方を論じた一節をば。

最先端科学を勉強するのは悪いことではない。
しかし、学界の状況を大局的に見る目を持っていないと、かえって混乱するばかりだろう。その分野はどのような問題意識の下に研究されており、何が論点となっているのか。こうした点を踏まえていないと「最先端科学の成果」に騙されることになりかねない。

読者の中には、ブレイン宇宙論やスピンネットワークなどのトピックがあまり解説されていないことに不満を抱く人がいるかもしれないが、こうした話題は、それぞれの理論の陣営に属する科学者が紹介すればよいと考えたまでである。

読者に捉えてほしいのは、最先端に至るまでの道程であり、この分野が物理学全体の中でどのような位置にあるかという大局である。それがどこまで伝えられたかは心許ないが、こうした意図は汲み取っていただきたい。

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いやぁ、自分の愛読書を紹介するのは本当に楽しかった♪

まぁ趣味全開だけど、この記事が少しでも誰かの参考になれば幸いである。

もっと知りたいと思ったら、こうした専門書と共に突き進もう!!

最先端に至る道程を!! そして賢者への道程を!!

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