さて、心の師匠のおすすめ書籍を語るシリーズを前回より始めたのだが、偶然にもその少し前に超弦理論で有名なあの大栗博司先生が、
高校生になったばかりの娘に贈る、
21世紀に有意義な人生を送るための数学
…と題して数学コラムをまとめた書籍(実際は2015年発行書籍の新書化)↓を刊行された。
「僕は数学者ではない」と冒頭の章でも大栗先生は述べているが、数学に関する示唆に富んだトピックをそれこそ語り掛けるように綴っており、直近の日課として少しづつ楽しみながら読み進めている。
…ん? 待てよ…
前回の記事↓は、その「超弦理論」のライバルである「ループ量子重力理論」の大家、カルロ・ロヴェッリ先生の著書をがっつり紹介したなぁ(笑)

記事作成前後にこうした超弦理論第一人者の著書を楽しむのは、(心の)弟子としては裏切り行為にあたるのではなかろうか?
よし!
鉄、それでいいっ!
それが(賢者の道程として)BEST!
うん! 脳内のリサリサ先生(もちろん指導歴なし(笑))がそう言っているので問題なし!
そして今回はシリーズ第二弾として、これら「ループ量子重力理論」と「超弦理論」について、自著内でも俯瞰的に各々を評価・考察してくださっている、吉田伸夫先生のおすすめ書籍を取り上げていこう。
多くの著書から泣く泣く厳選した良書に乞うご期待!!
科学的視点や考え方・哲学
前回に軽く紹介した、このシリーズのきっかけとなる書籍↓
科学は、
他のさまざまな文化と同じく、
実に人間的な営みである。
ただ、
少し敷居が高いだけだ。
本書は、
そうした思いから、
科学についてつらつら書き綴ったエッセイ集である。
~中略~
科学は、
質問をすれば直ちに答えを出してくれる魔法の箱ではない。
何ができ何ができないかをわきまえた上で、
最良の使用法を工夫しなければならない。
使い勝手が悪くて面倒な、
だが、
うまくはまればこれほど役に立つものはない、
便利なツールである。
(本書「はじめに」より抜粋)
随所に示唆に富む考えが散りばめられており、ロヴェッリ先生のエッセイ集(過去記事↓)と同じく、読了後も何週か繰り返し読み直して味わいたい1冊である。

「科学を方法論として捉え、その手法を具体的な論文に基づいて解説する」
…という狙いを基盤として、前述のエッセイ集よりも深堀して、科学的方法論や反証可能性に関する議論を取り上げた1冊↓
詳細は例に漏れず、以前の記事↓を見てくだせぃ(笑) 悪しからず。

~オマケ~
生命誕生や意識の発生など、特定の分野に偏った知識ではどうしようもない、永遠の謎とも思える難題について、広範囲にわたる現代科学の情報を基に考察した書籍↓
おすすめ度はやや下がるが、科学的視点や考え方を実践した良書である。
現代物理学の二本柱:量子論
量子論は、
世界とは何かを理解する上で、
必要不可欠な理論である。
量子論なしには、
なぜ世界がこのようにあるのか、
全くわからない。
にもかかわらず、
ほとんどの人が量子論を理解できないでいる。
そこには、
単に量子論が難解だからとは言い切れない事情がある。
~中略~
原始の構造や電子ビームの振る舞いからは、
どう見ても波が生じているとしか思えないのに、
教科書では「波が実在する」という見方は否定されている。
歴史的には、
波の実在性を主張したシュレディンガーが
自分の理論に自信を持ち過ぎて勇み足的に拡大解釈をしてしまい、
そのせいで生じた致命的な欠点を、
数学的な理論体系を構築したハイゼンベルグに批判されたという。
だが、
波というわかりやすく明確なイメージがなぜ否定されるのか。
~中略~
ハイゼンベルグによって否定されたのは、
あくまでもシュレディンガーの勇み足の部分であり、
ヨルダンらが提唱した波動場の考え方は、
決して有効性を失っていないはずである。
こうした見方を踏まえて、
本書では、
ハイゼンベルグらによって数学的に構築された量子論ではなく、
しばしば異端とされる
アインシュタイン、シュレディンガー、ヨルダンの描像を利用し、
量子論的な現象を波動のイメージに基づいて解釈する。
そうすることによって、
物理現象の根底にあるのが何かがはっきりと見えてくるはずである。
(おすすめ書籍↓の「はじめに」より抜粋)
さらに、量子論の根幹である波動場の理論(場の量子論)がどのように作られたかを、科学史に沿って説明している1冊↓
これらはブログ主の量子論に対する見解(過去記事↓)に大きな影響を与えている。

吉田先生の書籍で「一番初めに読むなら?」と問われたら、さんざん迷っても決めきれず、↑の2冊とも差し出し、平身低頭して赦しを乞う(笑)
現代物理学の二本柱:相対論
特殊相対論における「時間」に重点を置きつつ、時間論全般に触れた書籍↓
もちろん、当ブログ既出。文章量の節約節約~♪ (おいコラ(笑))

さらに、初級者レベルとして、相対論の「正しさ」を実感する方法の具体的な解説や、数式を含めたやや高度な議論を記した書籍↓
余談だが、以前に相対論の習熟に並々ならぬ熱意を持った精神科の上級医(未だ理由は不明。知的好奇心を持つこと自体は素晴らしいことだ♪)に↑の本をおすすめしたところ、
少し…難しいが…
一生かけて理解する…
…と、暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開く!!…ぐらいの強い意志を示された(笑)
量子論と相対論の統合 ~量子重力理論~
今まで多くの記事(ブログ内検索オネシャス)で紹介してきて、もう語ることがない良書↓
~オマケ~
当記事の冒頭でも述べたが、「ループ量子重力理論」と「超弦理論」について、特に↑と↓の本で吉田先生は各々を比較・評価している。おすすめ度は少し下がるがこちらも読まれたし。
量子論と相対論の融合 ~量子宇宙論~
まず「量子宇宙論」とは、相対論と量子場理論を組み合わせて宇宙の全体像を解明することを目的とする学問のことだ。
必ずしも実証されていないさまざまなアイデアが交錯する科学の最先端分野である。
そんな「量子宇宙論」による描像を基に、宇宙の始まりから終わりまで通観した書籍↓
今まで読んできた数多くの書籍の中でも、空間と時間に関して圧倒的に巨大なスケールでの議論であり、読了してただただ宇宙に思いを馳せる1冊。
なお、同書並みのスケールで「宇宙の終わり方」を紹介した↓の記事も参考にされたし。

過去の記事(ブログ内検索オネシャス)で紹介し過ぎて、もう語ることがない良書その2↓
この書籍でも、「ループ量子重力理論」と「超弦理論」について解説してくださっている。
改めて、心の師匠に感謝!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
師匠…俺…やってやりましたよ…(遠い目からの寄り目(笑))
相も変わらずの自己満足シリーズ企画だが、作成して一片の悔いなし(笑)
このシリーズを参考に、1冊でも師匠の書籍を手に取っていただければ幸いである。
語れ!! 各々のメンター!! (指導の有無は問わず(笑))
これぞ理学徒への道程!! そして賢者への道程!!
コメント