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美しくも過激な量子論 おすすめ理学書籍

量子論
「ほんとうに、信じられない。こんなことを、信じろというのか?
これじゃあまるで…現実が…存在しないみたいじゃないか」

科学界最大の発見であり、最大の謎とされる量子論。

量子論(あるいは世間一般の呼称である量子力学)の参考書や読み物は数多くあるが、こんな感情豊かな一文から始まるものがあっただろうか?

今回紹介するのは、ブログ主が愛するループ量子重力理論の第一人者であり、その文学的な表現と哲学的な考察で多くの話題作を生み出している、カルロ・ロヴェッリの一般向け量子論解説書である。

なお、既にカルロ・ロヴェッリの著作をいくつか読んでおり、「ロヴェッリ流」が練り込まれているブログ主の量子論・時空間に対する持論は下記を参考されたし。

量子力学を一から学ぶ
シュレディンガーの猫・・・トンネル効果・・・粒子であり波でもある・・・不確定性原理・・・きっと誰しも一度は量子...
時間とは何なのか? 
ウラシマ効果・・・タイムパラドクス・・・ワームホール・・・4次元空間・・・アリスとボブ・・・相対性理論は興味深...

本書のポイントを3つ挙げるとすれば、

① 生き生きと描かれる、量子論黎明期のヨーロッパ物理学界
② 量子論によって思索される、「自然哲学」の神髄
③ 心に響く、まるで「詩」のような文学的表現の数々

この作品では、従来一部の専門家だけが関心を持ってきた問題を、より多くの人々に開放しようとしている。

まずは、定評のある「物理学の詩人」としての筆力を駆使して、とことん選び抜いたトピックを研ぎ澄ました言葉で紹介することで、物理学や量子力学の素養の多寡にかかわらず、読者を疾走感に満ちた満足いく「知の旅」に誘い、物理学の深さや面白さに触れてもらう。

そこでは、量子力学やその誕生にまつわる諸々の事柄、その謎、さまざまな解釈などが紹介され、折に触れて科学や形而上学などに関する見解が披露される。

それはじつにスリルに満ちたガイド付きツアーで、読み手は、時には疑問符で頭をいっぱいにし、時にはなるほどと膝を打つことになる。一人一人の読者が「各自の背景に基づいて何かを感じ、それぞれに固有のリアクションを起こす」魅力的な読書体験をするのだ。

そうはいっても、時には気になったトピックを深堀したくなることもあるだろう。そんなときにはロヴェッリが用意した、本文の長さからすると膨大ともいえる計146個の注が役に立つ。さらりと触れてあったトピックについてもっと知りたいと思ったら、それぞれの注に挙げられている資料を紐解いて、のんびりと楽しめばよい。

つまり、この作品はコンパクトで完成度の高い独立した存在であると同時に、量子論や物理学のさまざまなトピックのブックガイドとしても使えるのだ。

永く読み継がれるべき物理学の名著の誕生を、是非一読して味わってほしい。

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ここで紹介したのはおすすめ書籍に関する概要と考察のほんの一部である。

もっと知りたいと思ったら、本書を一読して、「量子の海」へ漕ぎだそう。

目指せ!!量子論の隣人(笑)!!これぞ賢者への道程!!

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